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レポート

2019.06.24 リーダーに必要なのは自己開示と部下の背中を押すこと【コヒレントジャパン株式会社 事例インタビュー】

理科学用・産業用レーザ、およびレーザ計測機器の製造・販売会社として世界最大の実績を誇る、

コヒレント・ジャパン株式会社。1981年の創業より日本のレーザ市場を牽引してきました。

従来は、その製品力の高さで、順調に売上げ達成ができておりました。

インターネットの普及による情報化の進展というパラダイムシフトが起き、

顧客も製品についての詳細な情報を持つようになったため、いかに価値を提供するかが重要になりました。

従来以上の価値を顧客に提供しようとしても、これまでと同じやり方でなく、

業務の内容・方法を考えることを求められています。

しかしながら、社内では旧来型の仕事のやり方が抜けきれず、変化の必要性を感じていても、

うまく適用できずにモチベーションを維持できない社員が多くいるなどの問題がありました。

その変化を牽引するマネージャーも、メンバーに対してどのようにコミュニケーションを図れば良いか

戸惑っているような状況でした。

弊社では、そんな同社のマネージャー様に対して2018年5月より1on1ミーティングの導入支援のトレーニングを実施してきました。

全3回のトレーニングの内容は「1.信頼関係をつくる」、「2.コミュニケーションを変える」、

そして「3.コミュニケーションをつくる」です。

今回は代表取締役のモンロー様と、担当者の蛭田様、小泉様の3名に本トレーニングを採用した背景や成果、

また今後の課題についてお話を伺いました。

モンロー 清海様 コヒレント・ジャパン株式会社 代表取締役社長

 

(左)蛭田 雄介様 コヒレント・ジャパン株式会社 人事総務部長

(右)小泉 俊江様 コヒレント・ジャパン株式会社 人事総務部ジェネラリスト

 

信頼関係がある組織にするために

1on1ミーティング導入までに至った背景をお聞かせください

 

蛭田様:モンローが社長に着任したのが2015年10月で、わたしは2017年の2月です。

それ以前の社内状況は、率直に言うと“心理的安全性が確保されていない”でした。

歴史的な背景もあって特定の部門間や人間関係でのコミュニケーションが

うまくとれていない面も見受けました。

また、上司・部下間のコミュニケーションが希薄で、米国本社が掲げるOpen Door Philosophyとは

裏腹に気軽に意見を言い合えるような雰囲気ではないチームも多々ありました。

 

モンロー社長:僕が入社して驚いたのが、朝出社したら誰も挨拶を交わしていなかったんです。

社内のコミュニケーション改革から徹底的にやっていかねばと決意しました

それでまずは社員の人間関係構築の目的で、チームKK(気づき・改善)と称した4〜5人組の

グループワークを導入しました。チームになって社内の「改善すべき点」を考えましょう、というもの。

問題は上司が解決するものではなく、自分で解決するものとしてとらえて欲しかった

僕としては1on1ミーティングは以前社長を務めていたシリコンバレーの会社でも行っていたので

必要性はとても感じていましたが、日本の文化に合わないのでは…という不安があり、

導入に踏み切れずにいたんです。なので、今回の講義を聞いて

「チェンジさんが勧めているのなら、これで安心して取り組める!」と背中を押していただきました。

 

蛭田様:タイミングとしては、近年弊社では大きな変化が続いていました。2015年にモンローが社長になり、

2016年には米国本社のコヒレント・インクがドイツの同業の大企業を買収、2017年に日本法人も統合し、

さらに2018年5月には日本法人の本社を新宿に移転しました。そのような変化の中で、

社内のコミュニケーションスタイルも変わらなければと分かってはいながらもなかなかその殻を破れない、

という状況が続いていたんです。

 

モンロー社長:会社のメンタリティに加えて、個々の仕事もガラリと変わりました。大きな外資のシステムが

それも英語でドーンと入ってきて、英語の苦手な人はものすごく手間がかかり特に辛い時期です。

従来は担当者レベルの判断でできていたようなことも、英語の書類で申請して、というフローが必要になったり。

社員は今までのやり方を全否定されると人生を否定されたような気分にもなるでしょうから、

ケアしながら移行を促していく、そのバランスが難しい。

もちろんマインドが移行できる人がいる一方で、諦めて辞めていく人がいるのは仕方がありません。

ただそのタイミングが悪い(離職人数に新規採用が追いついていない)と、残された社員が、

不慣れなシステムに苦戦しながら仕事量も増えていく、という状況に追い込まれてしまうこともある。

そういった情報を上手く引き出し会社がフォローしていくためにも、

1on1ミーティングの導入は非常に良いタイミングでした。

 

蛭田様:そこでのマネージャーの役割は大きいですね。

今回やりたかったのは、マネージャーの意識改革とコミュニケーションスキルの向上。

現場には、変化に対応できずに辞める人、変化に対して努力する人、

そして「頑張りたいけどどうしたらいいかわからない」中間の層、という3タイプがいます。

その中間層のモチベーションを引き出してあげるのがマネージャーの役目。

コミュニケーションの基盤となる上司・部下間の信頼関係を築くところから始めました

 

 

自己開示して、お互いを知りキャリアを共に考える仲に

1on1ミーティング導入支援をする前と後の状況ではどのような違いがありますでしょうか?


 

蛭田様:トレーニング中に驚いたのが、マネージャーから「プライベートのことを聞いてもいいんですか!?」

という反応が多数あったことです(笑)。「こんなに気軽に部下と話していいのか」という彼らの気づきが、

まず大きな収穫でした。

 

モンロー社長:とある社員が「チームKKの活動がどれほど辛いか」を1on1で僕のところへ話しに来てくれたんです。

グループワークの中で自分からコミュニケーションを取ることに、それほど苦労しているなんて想像もしていなかった。

同様に、それまで見えていなかった問題点があちこちに見えてきました。どれも些細なことかもしれませんが、

全て社員にとっては重要なこと。こういったことは、まさに1対1でしか聞き出せないものですよね。

 

蛭田様:今回17名のマネージャーが受けましたが、その半数ほどが1on1を仕事に上手く取り入れており、

自分の部下がどうしたら成長できるか、と踏み込めているように感じます。

ですが、残り半数はまだそこまでいけていないのが現状です。「もう話すネタが尽きてしまった」と悩む人や

また部下の話を聞き出すには自分のことからオープンにしていかなければならないのに経験がないので

「自分のことをうまく話せない」という人もいました。お互いを知ることと、それをうまく仕事に繋げる、

その2つを同じ1on1の中でやらなければならないのに、雑談の部分で止まってしまっているんです。

ただ、これは生みの苦しみであって、マネージャーが会話の難しさを改めて実感し、

自分自身のことについてより考えるようになったことは、非常に大きな点だと思います。

 

自身の失敗を話して、部下を勇気付ける材料に

1on1 ミーティング導入によって得られた、上司部下の関係から今後、マネジメントメンバーにどのような成長を期待しますか?

 

モンロー社長:トレーニングでは、彼らの多くが「自分の失敗や過ちを部下に話してはいけない」

と思っていたのが分かりました。人間は誰しも失敗しますし、失敗なしに成功はありません。

また、上司が何でもやってしまうと下はモチベーションが下がり育ちません。

なので、僕は部下が悩んでいる時や部下に仕事を頼みたい時は、自分の失敗談を率先して話します

その流れで部下に自分なりの意見や役割を持たせてあげて、結果的に勇気付ける

上司に「こうしなさい」と言われるよりも、自分で気づく方が部下にとっても気持ちの良いものです。

また、部下にしたいことがあれば、私がサポートするからやってみなさいと、

背中を押してくれる一言が出る場となり、勇気づける時間となるように1on1をぜひ上手く使って欲しいです。

 

蛭田様:エンジニアリング企業ですので、マネージャーは技術がないといけない、という思い込みもあったでしょうし、部下の力を借りるという発想はなかった。ですが、今後は自分のできないことをさらけ出して、部下の力を借りる

そういう会話が1on1ミーティングで出てくるといいなと思います。

 

小泉様:これからも1on1 を自発的に継続してもらうためにも、会社としてしっかり支援することもポイントに思います。

良かったことに対してはしっかり評価をする、ということをしながら、今後もマネージャーを支えていきたいと思います。

 

 

マネージャーをハッピーにするために人事と講師の両面から支える

1on1 ミーティングを導入検討している他社へのメッセージをいただけますでしょうか?

 

蛭田様:今回、こちらからも事前にリクエストしましたが、最初にマネージャーの役割というのを改めて

定義しておくといいと思いました。なぜなら1on1というとコミュニケーションの技術でしかありませんので、

なぜマネージャーをやるのか?という根底の部分を最初にしっかり把握することで、

スキルの理解も深まるのではと思いました。

 

小泉様:ワークショップを3回に分け、毎回の宿題を次の回でフィードバックする、という流れで、

個々がそれぞれの現場で1on1を継続して実践できたのがとても良かったです。

単発のトレーニングでは、なかなか継続が難しいのではないでしょうか。

 

 

チェンジを選んでよかったと思う点はどのような点でしょうか?

 

蛭田様:その場から・今すぐ使える、というのがとても良いです。

セオリーに沿って論理的にプログラムが構築されているので頭で考える人にも受け入れやすく、

それでいて、ワークが多く、参加者が話す場面が多いため、自分事として能動的に

取り組みやすいように感じました。また、講師の力も大きかったです。

自らの失敗談など具体例を多数取り入れて、上から目線ではなく、

参加者に寄り添っているように感じました。

実際、初回では様子見をしているような態度の参加者もいましたが、回を重ねるごとに

講師との連帯感も生まれて、やらなければならないことが腑に落ちてきたようでした。

 

小泉様:2、3回目では質問がどんどん出てきましたよね。現場での、込み入った質問も多かった。

「その場合はそこまでしなくていいんだよ」と具体的なアドバイスを講師からもらえたのも、

参加者にとっては有意義だったのでは。私たちの一番の目的はシンプルに

「参加者がハッピーになってほしい」でした。

もちろん会社全体の幸せを目指しますが、そのためにもまずはマネージャーがハッピーになるための

支援をしていきたいなと、その手応えを感じた瞬間でした。

 

~~編集後記~~

今回のモンロー様、蛭田様、小泉様へのインタビューを通して、上司と部下の信頼関係が強い組織となるために様々な施策を考え、実行している様子が伝わってきました。

特にモンロー社長が仰っていた1on1ミーティングでの対話を通して、部下を勇気付けたいという思いは我々の思いと共通する部分もあり、改めて重要なことであると思いました。

また、コヒレント様では、1on1ミーティングの専用ルームも設置し、日々心理的安全性を感じながら上司と部下がコミュニケーションを取ることができるように、環境面からも整備されており、会社としてこの取り組みを支援されている様子を伺えました。

貴重なお時間をいただき、また丁寧にインタビューに応えていただき心より感謝いたします。

 

我々が取材した時も2部屋のうち1部屋は使用されており、1on1の習慣が根付いている様子を伺えて、嬉しかったです。